愛知県の某所にて、ドローン測量のテストを行いました。

(※航空局包括申請許可承認取得機体、操縦者による作業です。地権者の許可をいただいております。)

測量業務そのものは、精度を上げるための前準備(標定点の設置等)が必要となりますが、今回は標定点無し、EXIFという画像ファイルに付加されている位置情報だけを頼りにした計測作業と解析をテストしてみました。測定対象は、愛知県某所の採石場。2ha分(市販機体による1回の飛行で取れる上限)の写真データ取得します。機体はDJI製Inspire2、ジンバルにZenmuseX5S、レンズはpanasonic leica 15mm f1.7を使用しました。撮影データはオーバーラップ90%、サイドラップ60%、画素寸法1cmにて取得します。

作業内容は次の通り。

作業前日までに調査空域をヒアリングさせていただき、自動航行ソフト(今回はGS-Pro)に、フライトプランをインプット
作業当日、開始1時間前に空域確認、安全運行管理者の配置確認のための事前テストフライト(本来は作業前日までにロケハンとして確認すべきところですが、平日業務を中断できないこともあり当日行っています。)
事前に入力されたフライトプランを微調整(航路、天候や植生に応じた飛行高度、フェールセーフ設定、カメラの設定を行います。)
自動航行プログラムを送信し、実行。帰還まで機体を監視します。
帰還後、すぐにデータをSDカードから取り出し、パソコン上にコピー後、クラウド上にアップロードして解析(今回はクラウド型の解析ソフトを使いました。データアップロード後、機体、カメラ等の設定情報を設定した後、解析となります。)
解析終了後、データ(点群、オルソ、メッシュ、高低図、植生分析等)をクラウドからダウンロード、ローカルでデータ形式を変換(使う解析ソフトによりますが、今回のツールではメッシュや植生分布図まで出してくれました)
弊社クラウドサーバ上に点群データをアップロード(インターネットブラウザにて作成データを確認)

今回取得した現地データは、2ha分で約270枚でした。分析に掛かった時間は、以下の通りです。

クラウド上へのアップロード 15分程度
機体、カメラ、環境設定 15分程度
解析作業(点群、オルソ、メッシュ、植生分布) 5時間
解析後データのエクスポート(点群、オルソ、メッシュ、植生分布) 1時間
ファイル形式変換 10分
簡易ビューアへの設置 10分
オルソ画像解析に掛かった総工数は2haで約7時間です。ただし、点群で欠損しているところをツールが自動で補完したりはしてくれません。実際の業務では点群の編集作業等を行うため、もう少し工数がかかりそうです。

精度はどうでしょうか。これは、GISにオルソデータを張り付けて簡易チェックするだけしかできないなのですが、見る感じ50cm程度の誤差があるようです。RTK-GNSS等を搭載した機体ならもう少し精度が上がるのでしょうが、Exifだけを頼りに作成したデータでは致し方ないということでしょうか。点群を見る限りノイズはなく、きれいなものでした。これは解析ツールのアルゴリズムがよいのでしょうね。(フリーの解析ツールとの比較検証はまた後日)